インフルエンザと解熱剤
  インフルエンザと解熱剤




解熱剤

 インフルエンザに限らず、発熱すると解熱剤がよく使われますが、解熱剤は一時しのぎの薬ですし、使いすぎると異常な低体温になったりしますので、注意して使用しなければなりません。 

 「熱さましを使用したのに熱が下がらない。」という事はよくあります。インフルエンザウイルスを排除するために、免疫活動が活発になった結果、発熱も見られるようになります。きちんとインフルエンザの薬を内服(吸入)していれば、次第に解熱します。それでも、なかなか熱が下がらないと、心配になる事もあると思います。その時は、様子を見てばかりいないで早めに受診するようにしましょう。(発熱と熱さまし

 日常よく使われている解熱剤(熱さましの薬)の中には、インフルエンザ脳炎・脳症を重症化させる場合があるということが、厚生省の研究班によって報告されています。
 多くの解熱剤は、生体内でシクロオキシゲナーゼという物質の働きを抑えることによって熱を下げます。このシクロオキシゲナーゼという物質は発熱作用の他に、血管の修復作用も持っています。つまり、解熱剤を使用すると熱が下がるだけではなく、脳炎・脳症の時に見られる血管炎も治りにくくなるため脳炎・脳症を重症化させる可能性があるというものです。

 1999年〜2001年にかけて、多くの解熱剤の使用状況を調査した結果、ジクロフェナクナトリウム(製品名:ボルタレン、ブレシン等)と、メフェナム酸(製品名:ポンタール)が、このような作用の強い解熱剤としてあげられました。もともとボルタレンやブレシンは、乳幼児で使用されることは殆どなく、学童〜成人向けの解熱剤ですが、インフルエンザ脳炎・脳症で入院した重症な患者さんたちでは、使用されることもあり、その結果から今回の結論がでました。

 なお、脳炎・脳症をおこしていないインフルエンザでの使用については、禁止されたわけではありませんが、インフルエンザに罹患した場合、脳炎・脳症を合併することもあるわけですから、脳炎・脳症を起こしやすい幼児期では、これらの薬は使用しない方がよろしいです。

 また、以前より脳炎・脳症を引き起こす可能性が指摘されている解熱剤として、アスピリンがあります(ライ症候群)。この薬は一般的なカゼ薬として良く使用されていますが、欧米ではインフルエンザには使用されていません。

 アスピリン、及び、その類似薬として、PL顆粒、小児用PL顆粒、小児用バファリン等があります(医療用の小児用バファリンは、平成12年11月で製造中止になりました)。これらの薬もインフルエンザには使わない方が無難です。

 比較的安全な解熱剤としてよく使われているものは、アセトアミノフェンです(製品名:アルピニー、アンヒバ、カロナール等)。安全性が高い反面、やや解熱効果は劣りますが、外来治療している患者さんなら、これで十分です。
 なお、市販薬の“小児用バファリン”という名前のカゼ薬には、多くの種類がありますが、アセトアミノフェンを使用しているものが比較的安全性が高いと思われます。