どんな症状なの

  潜伏期間(ウイルスが体内に入ってから症状が出るまでの期間)は、2〜3週間くらいで、 耳下腺腫脹(一側性または両側性)、発熱、頭痛、嘔吐、全身倦怠感、などの症状がみられますが、3〜7日くらいで軽快します。


 おうちで気をつけること

・食事:酸っぱいもの、固いものは控えましょう。痛みが強いときは軟らかい食品がよいです。
(お粥、豆腐、牛乳、みそ汁、プリン、ゼリー、グラタン、など)
・入浴:発熱がなく、痛みがあまり強くなければかまいません。
・外出:腫れている間は人に移りますので、外出は控えましょう。


 こんなときは、早めにもう1度受診しましょう。

@.頭痛が強く、何度も吐くとき。→髄膜炎、脳炎が心配です。
 髄膜炎は発熱、頭痛、嘔吐などの症状がみられ、入院するような場合もありますが、軽快が早く、あまり重症になることはありません。これに対して、脳炎は、意識障害などがみられて、重症になることもあります。

A.睾丸を痛がるとき。→睾丸炎が心配です。
 思春期以後に罹患した場合、男子にみられます。殆ど一側性の睾丸腫脹と疼痛です。軽い萎縮をきたす場合もありますが、不妊症の原因になることは稀です。

B.耳の下の腫れが赤くなったとき。→化膿性耳下腺炎、リンパ節炎の合併が心配です。細菌による二次感染を起こしている時があります。

C.腹痛が強く、何度も吐くとき。→膵炎が心配です。
 重症な膵炎は稀で、軽い膵炎が殆どです。上腹部痛、悪心、嘔吐などの症状を呈しますが、2〜3日で軽快します。

D.1週間たっても腫れがひけないとき。

E.熱が3日以上続くとき。


 腫れがひけたら、電話の発信音(ツー)を聞かせて下さい
   →
感音声難聴のチェックが必要
  

 稀ではありますが、軽い平衡障害に続いて、高い音が聞こえにくくなることがあります。特別な予防法や、治療法もなく、一度難聴をきたすとなかなか治りにくいです。流行性耳下腺炎に罹患したら腫れが引けた後に電話の発信音(ツーという音)が聞こえているかどうかを、確認して下さい。


 オタフクかぜに何回も罹った?→反復性耳下腺炎とは

 ムンプスウイルスによる耳下腺炎を流行性耳下腺炎といいますが、ムンプスウイルス以外のウイルスや、細菌でも耳下腺が腫れる場合があります。こういう場合を「反復性耳下線炎」といいます。

 オタフクかぜは、ふつうは、一生に一回しか罹りませんが、(たまに2回罹る人もいます。)反復性耳下腺炎は、思春期頃まで何回も罹る人がいます。オタフクとよく似ていますが、次の点が少し異なります。

@.片方だけ腫れる場合が殆ど。

A.熱はあまりでません。

B.痛みは軽く2〜3日で治ります。

C.何回も繰り返します。

 見た目だけでは、流行性耳下腺炎(オタフクかぜ)と反復性耳下線炎とを区別できません。これでは、腫れる度にオタフクかぜと考えて、学校を休まなければなりませんので大変です。

 2回以上耳下腺が腫れたら、抗体検査をして本物のオタフクかぜの免疫があるかどうか確認しましょう。
 流行性耳下腺炎は、小児によくみられるウイルス感染症です。生後1才くらいまでは、母体からの免疫があるため、感染することは少なく、4〜5才頃に多くみられます。

 耳下腺腫脹が特徴的で、頬がはれた様子が“オタフク”によく似ているため、“オタフクかぜ”とも呼ばれています。頬がはれるため、軽い疼痛があり、ものをかんだりすると痛みが強くなります。
流行性耳下腺炎(オタフクかぜ)