手・足・口・病

 軽症ですが、時に重症な場合もあります。

 熱があるときは安静にしましょう!!

 乳幼児によくみられる手・足・口病は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスによるウイルス性発疹症です。夏に流行することが多いのですが、冬にもみられます。口の中、手のひら、足の裏、膝、臀部などに米粒くらいの小さな水疱(水ぶくれ)ができます。エンテロウイルスやコクサッキーウイルスは種類がたくさんあり、毎年流行るタイプによって症状が微妙に異なります。


◆ どんな症状なの?

 水疱はかゆみや痛みを生ずることは少なく、1週間くらいで消えます。口の中の粘膜疹が強いと食欲が落ちますが、脱水症状をおこすようなことはあまりありません。発熱もみられることがありますが、軽微で1〜2日くらいで解熱します。

 一般に、不顕性感染(感染しても症状がでないこと)も多く、症状も軽いのですが、まれに、髄膜炎、脳炎、心筋炎、気管支喘息、弛緩性麻痺などの合併症がみられることがあります。


◆ 保育園に行ってもいいの?

 ところで、手・足・口病の原因となるウイルスは、体内から排泄される期間が長いことが特徴です。咽頭からは1〜2週間、便からは3〜5週間ウイルスが排泄されます。従って、この期間は他の人へ感染させる可能性があるわけです。そこでいつも問題になるのは、この期間の登園(校)についてです。

 本症は発症後のウイルス排泄期間が長いため、実質的に登園(校)停止で感染を予防することは困難です。全体的にみて、不顕性感染も多く、症状も軽いため特別扱いしないのが普通で、発疹のでている子でも、他の子への感染のみを理由にして、登園(校)停止する積極的な意味はないと考えられています。

 つまり、本人の調子が良ければ、登園(校)してよろしいわけですが、 発熱し、咽頭痛のため食事がとれないようなときはお休みです。一般的には、解熱後1日経過し、普通に食事がとれるようになれば登園(校)可能でしょう。

 ただし、前述したように本症には重篤な合併症も見られることから、注意は必要です。特に、エンテロウイルス71型や、エンテロウイルスD68型は、時々重症化することがあり要注意です。


◆ 学童や大人は要注意!

 子どもが罹れば軽症な手・足・口病ですが、学童や大人ではけっこう症状がキツイです。お子さんが罹ったら、お子さんの食べ残した食品を食べるようなことはしないで、食器やタオルは共有しない様にしましょう。