☆病原性大腸菌☆

原因食品

・菌の分布は、家畜、ペット、健康人や、自然環境にまで及んでいるため、原因食品は多種にわたりますが、肉類が最も危険です。井戸水などの水の汚染にも注意しましょう。

菌の特徴

・普通の食中毒は菌が百万個以上体内に入らないと発症しませんが、病原性大腸菌O-157は、わずか100〜1000個の菌でも発症します。人〜人の感染もありますので早期に適切な処置が必要です。

・病原性大腸菌は種類も多く、健康な人でも菌を持っていることがあります(健康保菌者)。全ての病原性大腸菌が危険というわけではありませんが、O-157のようなベロ毒素を出すタイプは重症な合併症を併発することがあり、要注意です。
 現在、要注意とされている病原性大腸菌は、O-157、O-26、O-111、です。他にO-74、O-91、O-103、O-121、O-145、O-161、O-165、なども、時にベロ毒素を出すことがありますので、病原性大腸菌には油断禁物です。

・病原性大腸菌の症状
 3〜5日の潜伏期間を経て、下痢から始まります。すぐに頻回の水様性下痢となり、強い腹痛血便が見られるようになります。腹痛は腹部全体のこともありますが右下腹部痛のこともあり、急性虫垂炎との鑑別が必要なこともあります。血便は血液のみのようになり腸粘膜が混在することもあります。発熱は必ずしも見られません。腸炎のみで次に述べる重症な合併症がなければ下痢が始まってから、5〜7日で軽快してきます。

問題になるのは【溶血性尿毒症症候群(HUS)】という合併症です。

【溶血性尿毒症症候群(HUS)】
 下痢が始まってから、5〜10日くらいして発症します。
☆腎不全:血尿、尿量の減少、顔や手足のむくみ、高血圧など。
☆血小板減少症:鼻血や歯肉からの出血が見られる。
☆溶血性貧血:赤血球が壊れて、貧血となり、顔色不良。
☆神経症状:脳浮腫(脳のむくみ)による意識障害、けいれんなど。
【溶血性尿毒症症候群(HUS)】は、生命に関わるくらい重症ですが、早期に治療すれば回復が早いです。発症早期は下痢しか症状がみられませんが、下痢くらいと考えず早めに医療機関を受診しましょう。特に血便が見られたら、いくら元気に見えても様子など見ることなく、すぐ受診しましょう。

     潜伏期間 3〜5日
     初期症状  【発症1日目】
・下痢、腹痛、カゼ様症状

 【発症2〜3日目】
・血便、激しい腹痛
   重症な合併症
発症から5〜10日で出現
 ★溶血性尿毒症症候群(HUS)
・腎不全:血尿、尿量の減少、顔や手足のむくみ、高血圧など。
・血小板減少症:鼻血や歯肉からの出血が見られる。
・溶血性貧血:赤血球が壊れて、貧血となり、顔色不良。
・神経症状:脳浮腫による意識障害、けいれんなど。

予防のポイント

・加熱処理:病原性大腸菌は熱に弱い!。
・徹底した手洗い。
・井戸水は飲まない。