のどの痛い夏かぜ〜ヘルパンギーナ

 1シーズンに何回もかかることがあります。

 高熱に注意!!

 ヘルパンギーナは、乳幼児の間で流行する夏カゼの一種で、エンテロウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなどが原因です。発熱とのどの痛みが特徴です。最初、急に高熱が出現し、のどが真っ赤になります。少し遅れて、のどの奥に小さな水疱がみられ、水疱は、やがて潰瘍となり、味の濃い食品(酸味、塩味)では刺激が強くなり、食欲が落ちることもあります。水疱、潰瘍は、ヘルパンギーナの特徴的な病変で4〜5日続きますが、通常は1週間くらいで軽快します

 殆ど軽症で済みますが、稀に髄膜炎などを合併することがありますので、元気のない時は注意が必要です。エンテロウイルスや、コクサッキーウイルスは、種類がたくさんありますので、何回もかかることがあります。

◆ 主な症状は、
@.発 熱:38〜40度くらいの熱が2〜3日続きます。

A.咽頭炎:発熱後1〜2日たってから、のどの奥に水疱〜潰瘍が形成され、のどの痛みが強くなります。      

★ヘルパンギーナは
“のどの痛みの強い夏カゼ”といえます。


◆ おうちで気をつけることは、

@.高 熱:解熱剤を使いすぎないようにしましょう。1日2回以上解熱剤を使うようなときは、早めに受診するようにしましょう。

A.食べ物:のどの痛みが強いときは、あまり噛まなくてもよい消化のよい食品を摂取しましょう。のどは痛いし、熱も高いので、食欲がないのはしかたがありません。プリン、ゼリー、冷ましたおじや、とうふ、冷めたグラタン、等を進めて下さい。

B.水 分:脱水にならないように、十分飲ませて下さい。麦茶、ミネラルウオーター、牛乳、冷めたみそ汁やポタージュ、等がよいでしょう。


◆ こんな時は、早めにもう一度診察を受けましょう。

@.のどの痛みが強く、あまり食べられないとき。

A.いくら元気があっても、38度以上の熱が3日以上続くとき。

B.
とにかく元気がないとき。


◆ 治療

 今のところ、特効薬はありません。対症療法が主体です。脱水症状が見られるときは、早めに点滴等の処置をした方が治りが早いです。


◆ 感染経路

 エンテロウイルスや、コクサッキーウイルスは、のどや鼻の分泌物、あるいは、便の中のウイルスが、口や鼻の中に入り込んで感染します。手足口病、咽頭結膜熱など、殆どの夏かぜはこのような感染経路をとります。これらのウイルスは、発症後咽頭からは1〜2週間、便からは3〜5週間排泄されていますので、注意が必要です。潜伏期間は2〜4日です


◆ 予防

@.とにかくよく手を洗い、うがいをすること(全ての感染症対策の基本です。)
  →
流水で15〜30秒間、手をもみ洗いする。

A.感染者との密接な接触はなるべく避ける。(タオルなどは別に使う。)

保育所、学校は、いつからいけるの?
解熱しても、のどの痛みがなくなるまで、2〜3日は休んだ方がよいです。