よく聞かれる予防接種の質問

Q. 熱性けいれんを起こした後、予防接種まではどのくらいあければよいでしょうか。
A. けいれんの程度にもよりますが、一般的には、初発の熱性けいれんでは3ヶ月あけます。何回かおこしている場合は1ヶ月くらいおきます。

Q. 川崎病などでガンマグロブリンを大量静注した後、予防接種まではどのくらいあければよいでしょうか。
A. ガンマグロブリンは多くの抗体を含んでいますので、体内にガンマグロブリンが残っている間に予防接種をすると、与えられる抗原に対する反応が抑制され、十分に免疫ができないことがあります。麻疹・風疹・流行性耳下腺炎(オタフク)・水痘(みずぼうそう)では、6ヶ月以上おきます。ただし、BCG・ポリオ・三種混合は、ガンマグロブリンの影響を受けませんので、通常の方式で行ってかまいません。

Q. 予防接種の後はもんだ方がよいのでしょうか。
A. もまない方がよいです。以前はよくもむように指導されてましたが、現在はあまりもまないようになりました。もむことによって、皮下組織が損傷し、ワクチン液が拡散し、腕が腫脹したり、ワクチン液が血管内に侵入してアナフィラキシーショックを起こす危険性が高まるため、などが主な理由です。

Q. BCGを受けた後、1ヶ月くらいしたら、ジュクジュクして膿が見られるようになりました。
A. BCG接種後に見られる膿庖は、正常な反応で2ヶ月を過ぎる頃には自然に軽快します。ただ、細菌感染を合併すると悪化することがあります。通常は清潔なガーゼを当てたり、皮膚を保護する軟膏を塗る程度で十分ですが、膿汁が増悪したり、2〜3ヶ月も続くようでしたら抗生物質の軟膏を塗ります。

Q. BCGを受けた後、1〜2ヶ月くらいしたら、左側の腋窩リンパ節が腫れてきました。
A. まず、一般的なリンパ節が腫れる病気がないかどうか診察します。特に病気がなければ、皮膚に接種したBCGの菌が近くのリンパ節に運ばれてそこのリンパ節が腫れたものと考えられます。1個だけでなく2〜3個腫れることもあります。鎖骨上窩のリンパ節が腫れることもあります。これは病気ではありません。多くの場合自然に治癒します。稀に、切開したり、抗生物質の軟膏を塗ることもありますが、抗結核剤を使用することはまずありません。もし、体の他の部位にも何か異常が見られれば、免疫に異常がないかどうか詳しい検査が必要です。

Q. ポリオを飲んだ後に下痢をしましたが、大丈夫でしょうか
A. ポリオワクチンを服用した場合、ワクチンに含まれているウイルスは、咽頭と腸管で増殖します。 服用後に下痢をして腸管内のワクチンウイルスが下痢便とともに体外に排出されても咽頭のワクチンウイルスが増えてくれますので効果に変わりはありません。
 また、ポリオの副作用で下痢をすることはありません。

Q. 三種混合ワクチンT期初回の予定が乱れた場合、どのように調整すればよいでしょうか。
A. 一般に三種混合ワクチンは、続けて行う2回がきっちり3〜8週間で接種されれば大体免疫ができます。
 2回接種した後、3回目までの期間があいた場合、6ヶ月以内なら、3回目を接種します。6ヶ月以上経過したら、3回目は省略し、1〜1年半後にT期追加を行います。

Q. 卵アレルギーがある場合、予防接種は大丈夫ですか。
A. 現行の予防接種で卵が使用されているのは麻疹とインフルエンザです。卵アレルギーの程度にもよりますが、薄めたワクチン液で皮内テストを行い、安全性を確認してから行うのがよいと思います。

Q. 風疹ワクチンを1回しか受けていません。将来妊娠した時に先天性風疹症候群の発生を防ぐことは可能でしょうか
A. 平成18年4月より、麻疹・風疹予防接種は2回接種となりました。これは、ワクチン1回接種では、わずかではありますが、十分な免疫ができないことがあるためです。もう一つの理由は、接種後年数が経過するにつれて、免疫が弱まるためです。
 先天性風疹症候群の発生防止には、風疹HI抗体価が128〜256倍以上あればよいと考えられています。(あくまでも目安でありこの値で絶対罹患しないというわけではありません。)風疹ワクチン1回接種では、少し心配ですので、2回接種が望ましいと思います。

Q. 保育園で水痘(みずぼうそうの患者さんに接触した場合、すぐにワクチンを接種すると感染を防げるでしょうか
A. 患者さんに接触後3日以内なら、60〜70%が予防できるといわれていますが、実際は保育園などでの流行中はいつ接触があったかをはっきり確認することが難しく、すでに感染後3日以上経過している場合も多いと思います。その場合、せっかく接種しても効果は期待できません。なるべく集団生活に入る前に接種されればよいと思います。

Q. 保育園で流行性耳下腺炎(オタフク)の患者さんに接触した場合、すぐにワクチンを接種すると感染を防げるでしょうか
A. 流行性耳下腺炎のウイルスは、水痘のウイルスと少し違った増え方をしますので、残念ながら無効です。やはり、集団生活に入る前に接種されればよいと思います。

Q. 1才未満の乳児でもインフルエンザワクチンを接種した方がよいでしょうか。
A. 接種した方がよいと思います。家庭にいる乳児がインフルエンザにかかる場合は殆ど親からの感染です。したがって乳児のいる家庭では、まず、親がワクチンを接種することが大切です。乳幼児の場合、免疫も未熟なせいか、0〜2才くらいまでは、初年度2回接種でも十分抗体価が上昇しないこともあります。しかし、全く無効ということはありません。毎年接種を続けると次第に免疫も上昇してきます。丸腰で(何もしないで)冬を迎えるよりは、備えあれば憂いなしです。

Q. インフルエンザワクチンの接種間隔は1〜4週間となっていますが、どの程度がもっとも効果的でしょうか。
A. 厳密なデータはありませんが、3〜4週間隔がもっとも良いとされています。ただ、流行が始まってくると待っていられませんから、その場合は1週間間隔で行った方がよいです。